• Feb.
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  • 22
  • 2022
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「産学連携をビジネスに結びつけるには?」
インペリアル・カレッジ・ロンドン執筆
特別コラム

イントラリンクでは、これまで海外イノベーションをテーマに数多くのウェビナーを開催してきましたが、この度は、3月3日(木)に、弊社のイノベーション・ネットワーク・パートナーである英国の名門校、インペリアル・カレッジ・ロンドンのエンタープライズ・ディレクターを務めるサイモン・ヘップワース博士をスピーカーとしてお迎えし、「産学連携」をテーマにウェビナーを行うことになりました。(ウェビナーの詳しい情報につきましてはこちらのリンクをご参照ください:リンク

今回のウェビナー開催に伴い、特別にインペリアルにより、当校の産学連携の取り組みについて紹介記事をご執筆いただきましたので、本メールにてお届けします。皆様の今後のご活動においてご参考にしていただければ幸いに存じます。

 

「産学連携をビジネスに結びつけるには?」

筆者:インペリアル・カレッジ・ロンドン
エンタープライズ・ディレクター
サイモン・ヘップワース博士

インペリアル・カレッジ・ロンドンでは、これまで日本をはじめ世界の数多くの企業の先端リサーチを支援し、ビジネスの成長に貢献してきました。今回のブログ記事では、私たちがイノベーションパートナーとして企業と協業する上での考え方やインサイトを共有します。

まず、背景をご説明します。インペリアル・カレッジ・ロンドンは、科学、工学、医学、ビジネスの分野で世界をリードする大学です。他の大学との違いは、国際的な視野の広さと、「産業界との協調を通じて現実の問題を解決する」という創立時のミッションにあります。
独立機関による評価では、常に世界トップ20の大学のひとつとして、そして世界で最も国際的かつイノベーティブな大学のひとつとして位置づけられています。

日本は、私たちにとって最も密接な関係にある国のひとつです。インペリアルの研究者は、東京大学や京都大学などと1,000本以上の論文を共著しています。また、日立、本田技研工業、三菱重工業、NEC、富士通、塩野義製薬など、日本の大手企業とも研究提携をしています。

 

日本企業を含むパートナーシップの具体例

 

インペリアル・カレッジ・ロンドンは、アカデミック・パートナーとして、企業の専門知識を活かし、その企業にとって最も重要な問題を解決するための学術的な研究プログラムを設計しています。
インペリアルに所属する世界的に優秀な研究者たちは、毎年約7,500万ドル相当の産業研究を行っており、商業的に価値のあるインサイトやIPを生み出し、産業の変革に貢献しています。

いくつか協業の実績をご紹介します。

・三菱重工業(MHI):戦略的パートナーシップにより、同社はより効率的な自動車部品の生産を実現。燃費を向上させる新しいタービンブレードは、MHIのBest Innovation Awardを受賞しました。

・塩野義製薬:研究プログラムを通じ、一部の感染症が治療に対して耐性を持つメカニズムを調査し、抗生物質耐性の脅威に対抗するための新しい治療法の開発に貢献しています。

・BASF社:共同研究と博士課程プラグラムは、農薬や医薬品などの化学産業において、バッチ式化学生産から連続式フローケミストリーへの移行という一歩進んだ変化をもたらしており、より小さなスケールでのフローケミストリーにより、より分散した弾力性のあるグローバルサプライチェーンの構築を可能にしています。

・ダイソン社:広範なパートナーシップの一環として設立されたラボでは、ダイソン社の新世代の家庭用ロボットが構造化されていない環境で自律的に感知し、相互作用することを可能にするコンピュータビジョン技術の開発が続けられています。インペリアルのコンピュータビジョン技術は、世界に先駆けて日本で発売されたダイソンのロボット掃除機「360 Eye」にも採用されています。

インサイトや新技術の構築に加えて、インペリアルとの提携により、多くの企業が従業員のスキルアップ、優秀な学生の採用、そしてインペリアルの拠点を活かした海外でのブランド認知度向上を実現することができています。
また、パートナー企業は、定期的に開催されるイベントを通じ、ディープ・サイエンス分野のスタートアップ・コミュニティと出会い、最先端技術についていち早く知る機会を得ています。

 

スタートアップエコシステムとの連携

 

直近では、75社のスタートアップ企業がインペリアルにおける研究の商業化を試みております。そしてインペリアルの学生が独自で起業するスタートアップの数も200件を超えています。
当校では、起業家支援サービス、トレーニングプログラム、ロンドンのホワイトシティにある新キャンパスの共同スペースであるImperial Incubatorなどのインフラを通じて、これらのスタートアップを支援しています。

スタートアップの成功例:アーリーステージからスケールアップまで

 

アーリーステージ・スタートアップの成功例として、TOfeeAMがあげられます。TOfeeAMのソフトウェアは、自動車産業や航空産業により、積層造形法で製造される部品の設計最適化に利用されています。

また、Myricx Pharmaは昨年、450万ポンドのシード資金を得て、研究成果を新しいタイプのがん治療薬に応用しています。

Cogitatは、新世代のバーチャルリアリティを実現するブレイン・コンピュータ・インターフェイスを実現するための機械学習技術で、国際的なコンペティションにて優勝しました。

スケールアップの例としては、フェイクニュースの拡散を検知する機械学習アルゴリズムを開発し、Twitter社に買収されたFabula.AIがあげられます。

このような大企業によるスタートアップ企業との連携や投資は、新技術の獲得のみならず、欧州の新市場にアクセスする手法としても用いられています。

 

ライセンシング、コンサルティング、また技術の「先取り」について

 

インペリアルの学術的な専門知識を活用する一つの方法として、大学のIPポートフォリオの中から商用開発が可能な技術のライセンスを取得することもできます。

最近の例としては、病院内での抗生物質耐性の広がりを検出する診断テストが米国のBrukerにより商品化されたり、血液がんに対する新しい免疫療法が数十年にわたるインペリアルの研究に基づき、オーストラリアのバイオテクノロジー企業Arovella社によって開発されたりしています。

ライセンシング以外にも、インペリアルのコンサルティング・サービス、またメンバーシップネットワークへの加入を通じ、インペリアルを取り巻くイノベーション・ランドスケープへのアクセスを容易にできます。
更に、テクノロジー・フォーサイト(先取り)ユニットとの連携を通じ、20年後の科学技術の未来を見通すお手伝いもできます。

 

最後に、、、

2022年3月3日に開催されるイントラリンクのウェビナーでは、産学連携についてお話ししますので、ぜひご参加ください。また、インペリアルが提供する支援内容についてお問合せをご希望でしたら、お気軽にこちらのメールアドレス宛にご連絡ください:enterprise@imperial.ac.uk

英語での最新情報は、インペリアル・エンタープライズ・チームのウェブサイトや、ニュースレターよりご覧いただけます。

それではウェビナーにてお会いできるのを心待ちにしております。

ウェビナーへのお申込はこちらのページよりお願いいたします。